おもに社長一人で切り盛りしている小規模な会社を想定します。そのような会社の社長が,突然死んだら,いったい,どのような事が起こるでしょうか。
まず,仕掛中の仕事です。その仕事の段取りを知っているのは,社長ただ一人です。その社長が死んでしまうと,その仕事がどこまで進んでいるか誰も分からないということになります。ここで,うまく仕事を引き継いでくれる人が見つかれば良いのですが,そうでなければ依頼主は,その注文をすべてキャンセルして,別の業者にやり直しを依頼することになります。
その受注した仕事ですが,前金は受け取っていないでしょうか。これを受け取っていたら,仕事を引き継いでくれた人が見つかればその人に引渡し,そうでなければ依頼主に前金を返金するというのが原則となりましょう。さて,ここで問題は,一人で切り盛りしていた社長が死んでいるということです。果たして,この前金の引継なり返還なり,誰がすることになるのでしょうか。社長が死んでいるので,これを処理できる人がいないのです。
このほか,事務所家賃やリース料の支払,あるいは税務申告など,一人で切り盛りしていた社長が死んでしまうと,こういう当たり前にやらなければならない事をやる人がいなくなってしまうのです。社長が最後にこれらを誰かに引き継げれば良いのですが,突然の事故などがあったりすれば,その時間もありません。その結果,会社は支払うべき債務をまったく支払えなくなってしまい,すべての債権者に迷惑をかける結果となってしまいます。
一人で切り盛りしていた社長が死んでしまうと,多かれ少なかれ,会社は混乱します。場合により,その混乱は,社長の家族にまで波及します。そこで,その混乱を最小限にするために,自分が死んだらどうなるか,その最低限のシミュレーションぐらいはしておき,必要なことを書き遺しておくぐらいのことはしておいた方が良いでしょう。それは,遺言のような仰々しいものである必要はありません。メモ書き程度で結構ですので,残された関係者が,どこに何があるか分かる程度の書置きは残しておいてもらいたいものです。
とはいえ,自分が死んだときのシミュレーションなど,なかなか簡単には想像できないことでしょう。ご不安でしたら,多摩オリエンタル法律事務所に,ぜひご相談ください。
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