相続問題で相続人が多数出てしまった場合の対応方法について

相続の法律相談を受けていると,相続人が多数いて,遺産分割協議が遅々として進まないというものがあります。

相続人が多数になってしまった原因は様々ですが,被相続人が亡くなって,相続問題を解決しない間にその相続人も亡くなっていき,子や孫の代に問題が及んで,関係者が誰であるのか分からないというケースが多いです。つまり,遺産分割の問題を先送りにしていくと,その処理を強いられる子や孫に迷惑をかける可能性があるということです。

それでは,このように相続人が多数になってしまった場合,どのように解決すれば良いでしょうか。相続人が多数いるというのは,遺産分割協議をして相続問題を解決するためには,その相続人全員の了解を取らなければなりません。相続人の全員が一同に会して話し合う場ができれば良いのですが,相続人が10人以上いるという事案ではそうもいかないでしょう。そうであるならば,相続人が多数いる事案のときは,遺産分割調停・審判ありきで考えるべきでしょう。特別受益や寄与分などの複雑な問題があるようでしたら,なおさらでしょう。

遺産分割調停・審判で解決するといっても,当事者が多数に及ぶ場合は費用もばかにできません。そこで自分が提案したい方法は,相続人のうち何人かから,その相続分を買い取る交渉をすることです。相続人が多数いるということは,1人あたりの相続分の評価額が低くなるということです。そして,このような事案では,その相続に関心を持つ人もますます少なくなっていきますから,その相続分の評価額よりもかなり低い金額で買い取れることがあります。このような交渉をした後に手続きに入るならば,調停・審判費用も安くなり,場合によっては裁判手続きをとらないで示談交渉で問題が解決される可能性も見えるのです。

この相続分の買取にあたっては,相手方から取り寄せなければならない特殊な書類があります。比較的複雑な手続きになりますので,このような手法をとられる際には弁護士に相談されると良いでしょう。

~多摩オリエンタル法律事務所~

多摩センター駅徒歩3分。夜間・休日も対応いたします。債務整理のご相談は無料です。多摩市、稲城市の方からのご相談が多い事務所です。債務整理・離婚・相続・後見等の個人事件や、売掛金回収・倒産等の法人事件の実績多数あります。

パートナーから離婚したいと言われたら

 

 

 

 

 

 

 

多摩オリエンタル法律事務所でよく受ける相談は,1番が債務整理で,2番目が離婚です。今回は,パートナーから離婚したいと言われた場合の対応について説明したいと思います。

多摩オリエンタル法律事務所では,パートナーから「離婚したい」と言われた場合は,離婚に向けてよく話し合うことを推奨しています。なぜならば,夫婦とは人と人が相互に愛し合うことによって成立する人間関係であり,一方の愛が失われたら破綻するものだからです。

パートナーから,いきなり「離婚したい」と言われて納得がいかないことも多いかと思います。しかし,それで「離婚しません」と言い切ってしまうことの意味を考えていただきたいです。愛を失った相手に対し夫婦関係の継続を求めるというのは,こちら側でそういう相手の愛を取り戻す努力をしなければならないことを意味します。場合により,相当に屈辱的な対応を強いられることになりかねないので,安易に「離婚しません」と言い切ってしまうのは考え物です。

ではどうしたら良いでしょうか。離婚に向けて話し合えば良いのです。ここで,「離婚に向けて話し合う」とは,すぐにその場で離婚に応じることを意味しません。相手方の申し出に納得いかないのであれば,その申し出を拒絶するということもあって良いと思います。いずれ離婚することを視野に入れ,自分が納得する条件になるように,相手方と交渉するのです。

この辺りのサジ加減は,口で言うほど簡単ではないかもしれません。こういうわけで,「離婚したい」という相手方の言い分に納得がいかないのであれば,まずは弁護士に相談されることをおススメします。多摩オリエンタル法律事務所では,「離婚したくない」という相談者のお気持ちも大切にしますので,遠慮なくご相談していただいて結構です。

~多摩オリエンタル法律事務所~

多摩センター駅徒歩3分。夜間・休日も対応いたします。債務整理のご相談は無料です。多摩市、稲城市の方からのご相談が多い事務所です。債務整理・離婚・相続・後見等の個人事件や、売掛金回収・倒産等の法人事件の実績多数あります。

 

遺言は書くべきか?

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_0498-3.jpg

遺言を書こうか迷われている方も多いかと思います。相続は,遺言書がないときは,遺産分割協議をしなければほとんどの手続きができないのが原則です。また,本人確認が厳重になっている今日では,銀行預金の払い戻しや相続登記の手続きをするにはそれぞれ実印と印鑑登録証明書の取寄せが必要となり,遺された相続人の手間が大きくなります。しかし,遺言書があると,こうした手続きの際に取寄せるべき資料が格段に少なくなります。

ですから,相続人が多数いるような場合は,遺言書を残しておいた方が良いと思います。

縁遠い相続人がいて,円滑な遺産分割協議ができないおそれがあるときも,遺言書を残しておいた方が良いでしょう。

相続人に未成年者や病弱な方がいるような場合も,円滑な遺産分割協議ができなくなるおそれがあります。状況によっては特別代理人選任の申立てが必要となり,想定外の費用が発生するおそれがあるので,遺言書を残しておいた方が良いでしょう。

このほかにも,遺言書を残しておいた方が良いケースもありますが,これらは別の機会で説明したいと思います。

さて,そこで書くべき遺言書の内容ですが,そこはあまり深く考えず,「遺産はこれをすべて換価し,これより債務の支払や遺言執行費用を控除した残金を法定相続分によって分割する」とでも書いておけば良いでしょう。

遺言書に書くべき内容として注意するべきは,遺言執行者の選任をしておくことです。遺言執行者を選任しておくと,銀行預金の払い戻しや登記手続き等が,遺言執行者一人の権限でできるようになり,手続が相当楽になります。

それでは,遺言執行者は,誰にすればよいでしょうか。家族の1人を指定するケースが多いですが,遺産分割の手続処理を相続人の1人に負担させてしまうと,そのことで相続人間に不平不満が生じるかもしれません。ですから,遺言執行者については弁護士はじめとする専門家に依頼しておくこともご検討ください。

最後に,遺言書の内容については,事前に,弁護士などの専門家にご相談いただくことをおすすめします。多摩オリエンタル法律事務所では,遺言に関する相談も受け付けておりますので,お気軽にお問合せください。

~多摩オリエンタル法律事務所~

多摩センター駅徒歩3分。夜間・休日も対応いたします。債務整理のご相談は無料です。多摩市、稲城市の方からのご相談が多い事務所です。債務整理・離婚・相続・後見等の個人事件や、売掛金回収・倒産等の法人事件の実績多数あります。

離婚事件は子供をみる。

 弁護士として受ける依頼の中で,離婚事件ほど,当事者間の言い分が食い違うものはありません。妻側から話を聞けば,相手方の夫は酷い人だし,夫側から話を聞けば,妻こそろくな人ではありません。不貞行為があったような場合は明らかですが,多くは家事・育児をするしないの問題であり,不貞行為をした側にも相手方に言いたいことはあるようです。どちらの主張にも分がありそうであり,簡単には優劣が判断できません。
“離婚事件は子供をみる。” の続きを読む

慰謝料の額


 慰謝料はいくらぐらいとれますか?弁護士として,これほど答えにくい質問はありません。例えばこれが,人を怪我させたような事案であれば,後遺症の程度,通院日数,入院日数で,おおよその金額は算出できます。
“慰謝料の額” の続きを読む

どのようなときに成年後見制度を利用するべきか

平成12年にあたらしい成年後見制度がはじまって15年になります。司法統計によると、平成25年度中の後見開始の審判の申立件数は、2万8040件。成年後見制度が始まった年の前年度(平成11年4月から平成12年3月まで)、その申立件数(当時は禁治産宣告の申し立てと呼んでおりました。)が2963件だったそうですから、この15年でおよそ10倍の増加です。これは、国民に成年後見制度が広く周知される一方、その申立てを支援する法律家が爆発的に増えたことによるものでしょう。

“どのようなときに成年後見制度を利用するべきか” の続きを読む

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)の発効について

多摩オリエンタル法律事務所は,中小企業法務を専門としていますが,離婚事件の取扱いも多いです。この4月から,わが国で国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)が発効するというので,今月は,簡単にその解説をしたいと思います。

“国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)の発効について” の続きを読む