遺言は書くべきか?

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遺言を書こうか迷われている方も多いかと思います。相続は,遺言書がないときは,遺産分割協議をしなければほとんどの手続きができないのが原則です。また,本人確認が厳重になっている今日では,銀行預金の払い戻しや相続登記の手続きをするにはそれぞれ実印と印鑑登録証明書の取寄せが必要となり,遺された相続人の手間が大きくなります。しかし,遺言書があると,こうした手続きの際に取寄せるべき資料が格段に少なくなります。

ですから,相続人が多数いるような場合は,遺言書を残しておいた方が良いと思います。

縁遠い相続人がいて,円滑な遺産分割協議ができないおそれがあるときも,遺言書を残しておいた方が良いでしょう。

相続人に未成年者や病弱な方がいるような場合も,円滑な遺産分割協議ができなくなるおそれがあります。状況によっては特別代理人選任の申立てが必要となり,想定外の費用が発生するおそれがあるので,遺言書を残しておいた方が良いでしょう。

このほかにも,遺言書を残しておいた方が良いケースもありますが,これらは別の機会で説明したいと思います。

さて,そこで書くべき遺言書の内容ですが,そこはあまり深く考えず,「遺産はこれをすべて換価し,これより債務の支払や遺言執行費用を控除した残金を法定相続分によって分割する」とでも書いておけば良いでしょう。

遺言書に書くべき内容として注意するべきは,遺言執行者の選任をしておくことです。遺言執行者を選任しておくと,銀行預金の払い戻しや登記手続き等が,遺言執行者一人の権限でできるようになり,手続が相当楽になります。

それでは,遺言執行者は,誰にすればよいでしょうか。家族の1人を指定するケースが多いですが,遺産分割の手続処理を相続人の1人に負担させてしまうと,そのことで相続人間に不平不満が生じるかもしれません。ですから,遺言執行者については弁護士はじめとする専門家に依頼しておくこともご検討ください。

最後に,遺言書の内容については,事前に,弁護士などの専門家にご相談いただくことをおすすめします。多摩オリエンタル法律事務所では,遺言に関する相談も受け付けておりますので,お気軽にお問合せください。

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