実家が親族と共有になっていて,売るに売れない。そのような問題は抱えていませんか? 今回は,共有不動産を処分する方法について考えてみます。自分は,その不動産の共有持分権者であるとします。
まず,不動産業者に相談して,その共有持分を第三者に買い取ってもらうという方法があります。しかし,この方法は,あまりお勧めできないようです。そもそも,共有持分だけ買い取るという者はほとんど無く,仮に買受希望者が現れたとしても,かなり安い値段で買いたたかれる可能性が高いです。例えば,自分は全体の1000万円で売れる不動産の5分の1の共有持分権者であるとします。これを第三者に買い取ってもらう場合,1000万円の5分の1の200万円という値段がつくことは稀でしょう。
そこで,その不動産の,他の共有持分権者に,自分の共有持分を買い取ってもらうという方法が考えられます。その共有持分権者も,あなたの共有持分を欲しいと思っているような場合,相場で買い取ってもらえるケースが比較的多いです。上の例で言えば,200万円で買い取ってもらえるケースが多いでしょう。こういう買取を希望する共有持分権者は,その物件に,アカの他人の共有持分権者が入ってくることを嫌う傾向があるので,そのようになるのでしょう。
誰も,その不動産の共有持分を買い取ろうとしないという場合,いっそのこと,その不動産の共有者全員でこれを売却するという方法が考えられます。共有者が数えるほどしかいなければ,共有者全員でこのような話をつけることも可能でしょう。思うに,この方法が,もっとも実入りが多い処分方法でしょう。
ただし,不動産を他に売却するというのは,共有者全員の話がまとまらなければ困難で,共有者の一人でも反対者が出れば,裁判所の関与もなしにこれを売却することはできないでしょう。そのようなときは,共有物分割請求訴訟(場合により,遺産分割調停等)を提起することが考えられます。訴訟の中で,裁判官を交えて,共有不動産の処分について話し合えば,それだけ,共有者全員の話合いがまとまる可能性が高まります。共有者全員の話合いがまとまらない場合は,一概には言えませんが,共有者の一人がその不動産を買い取るか,あるいはこれを競売にかけるかなどの判決が出るでしょう。
このように,共有不動産があって,他の共有者と話合いができないとしても,これを処分できないということはありません。共有不動産の処理のご相談は,ぜひ,多摩オリエンタル法律事務所にご相談ください。
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