相続でもめるポイント

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_3414-1-rotated.jpg多摩オリエンタル法律事務所では,相続に関する事件を多数取り扱ってきました。そこで,遺産分割がなかなか進まないケースの類型が見えてきたので,ご説明します。
1 遺産に不動産があるとき
誰かが遺産である不動産を取得しようとして,その不動産の評価額や分割方法を巡って争いが紛糾することが多いです。相続人一致して不動産を売却できれば,その代金を法定相続分で分割するという形で話合いがまとまることがあります。また,できるだけ説得的な不動産の査定書を取得し,不動産の取得を希望する相続人が適切な代償金を支払うことを約束すれば,話合いがまとまりましょう。いずれもできないときは,競売もやむなしとの覚悟を持って手続を進めなければ,話合いが先に進まない傾向があります。
2 特別受益・寄与分の主張があるとき
相続人が生前贈与を受けている(特別受益),あるいは相続人が生前に被相続人の支援をした(寄与分)などの主張があると,それではこれをどのように金銭的に評価して,遺産分割に反映させるかで,議論が紛糾することがあります。遺産を使い込んでいる相続人がいるというのも,この類型に含めて良いでしょう。こちらは,特別受益や寄与分の額を明らかにする証拠をどれだけ揃えられるかにかかっています。
3 不公平な遺言書がある
不公平な遺言書が作成されたときは,遺留分減殺請求をすることになります。遺留分というのは,遺言をもってしても侵害することができない相続人の権利です。このとき,遺産が不動産のみだったりすると,受遺者において遺留分を金銭で支払うことができず,遺産分割が紛糾することがあります。
4 親族に面倒臭い人がいる
この場合は,遺産分割がもめそうに見えます。けれども,このような場合は,「法定相続分どおり」とすれば,案外,手早く遺産分割がまとまる傾向があります。ただし,上記1~3のような事情が介在すると,通常以上にもめることもあります。
5 相続でもめないために・法定相続分に沿った遺言書を作成しておくこと
不動産があったり,特別受益や寄与分がありそうなとき,公平な遺言書を残しておけば,相続人同士が争うリスクがかなり軽減します。そうでなくても,遺言書一通あるだけで,銀行預金その他の名義書換手続が各段に楽になります。したがって,遺産がまったく無い,相続人が一人だけというような,極端に単純なケースでもない限り,家族のためを思うのであれば,遺言書は残しておいた方が良いと思います。多摩オリエンタル法律事務所では,遺言書の作成支援も行っております。ご相談は,お気軽にどうぞ。

~多摩オリエンタル法律事務所~
多摩センター駅徒歩3分。夜間・休日も対応いたします。債務整理のご相談は無料です。多摩市、稲城市の方からのご相談が多い事務所です。債務整理・離婚・相続・後見等の個人事件や、売掛金回収・倒産等の法人事件の実績多数あります。

社長が死んだらどうなるか?

 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_3157-002-1-rotated.jpgおもに社長一人で切り盛りしている小規模な会社を想定します。そのような会社の社長が,突然死んだら,いったい,どのような事が起こるでしょうか。
 まず,仕掛中の仕事です。その仕事の段取りを知っているのは,社長ただ一人です。その社長が死んでしまうと,その仕事がどこまで進んでいるか誰も分からないということになります。ここで,うまく仕事を引き継いでくれる人が見つかれば良いのですが,そうでなければ依頼主は,その注文をすべてキャンセルして,別の業者にやり直しを依頼することになります。
 その受注した仕事ですが,前金は受け取っていないでしょうか。これを受け取っていたら,仕事を引き継いでくれた人が見つかればその人に引渡し,そうでなければ依頼主に前金を返金するというのが原則となりましょう。さて,ここで問題は,一人で切り盛りしていた社長が死んでいるということです。果たして,この前金の引継なり返還なり,誰がすることになるのでしょうか。社長が死んでいるので,これを処理できる人がいないのです。
 このほか,事務所家賃やリース料の支払,あるいは税務申告など,一人で切り盛りしていた社長が死んでしまうと,こういう当たり前にやらなければならない事をやる人がいなくなってしまうのです。社長が最後にこれらを誰かに引き継げれば良いのですが,突然の事故などがあったりすれば,その時間もありません。その結果,会社は支払うべき債務をまったく支払えなくなってしまい,すべての債権者に迷惑をかける結果となってしまいます。
 一人で切り盛りしていた社長が死んでしまうと,多かれ少なかれ,会社は混乱します。場合により,その混乱は,社長の家族にまで波及します。そこで,その混乱を最小限にするために,自分が死んだらどうなるか,その最低限のシミュレーションぐらいはしておき,必要なことを書き遺しておくぐらいのことはしておいた方が良いでしょう。それは,遺言のような仰々しいものである必要はありません。メモ書き程度で結構ですので,残された関係者が,どこに何があるか分かる程度の書置きは残しておいてもらいたいものです。
 とはいえ,自分が死んだときのシミュレーションなど,なかなか簡単には想像できないことでしょう。ご不安でしたら,多摩オリエンタル法律事務所に,ぜひご相談ください。

~多摩オリエンタル法律事務所~
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令和6年4月1日から不動産相続登記が義務化されます

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令和6年4月1日から,相続登記の申請が義務化されます。(1)相続(遺言も含みます。)によって不動産を取得した相続人は,その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。(2)遺産分割が成立した場合には,これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に,相続登記をしなければなりません。違反した場合は10万円以下の過料となる可能性があります。 “令和6年4月1日から不動産相続登記が義務化されます” の続きを読む

被相続人の借金が多いけれども財産は引き継ぎたい場合の方法


家族が亡くなって,その人が多額の借金を抱えていたというのは,よくあることです。

このような場合,多くのケースでは相続を放棄すれば解決します。

相続放棄は,その家族が亡くなったことを知って3ヶ月以内にしなければいけないと言われることがありますが,それは不正確です。
正確には,借金があることを知ってから3ヶ月以内に相続放棄をすれば解決します。
もっとも,その場合の相続放棄にはちょっとした報告書が必要になりますので,弁護士に相談するのが無難です。
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遺産分割協議の在り方について

―遺産分割協議をしたくても,親族疎遠で,下手に協議をもちかけたらどのような要求をされるか分からない。
そのような方もいらっしゃると思います。このような対応も分からなくもないのですが,いささか考えものです。なぜならば,こちらが何の持ちかけをしなくても,相手方がいつどのような要求をしてくるか分からないということに変わりはないからです。 “遺産分割協議の在り方について” の続きを読む

遺言か生前贈与か

自分の財産を,いつ,誰に,どのように引き継がせるか。自分の相続を考えるとき,私は大きく分けて,2通りの方法があると考えています。ひとつは,遺言であり,もうひとつは,生前贈与です。今回は,この2つの方法のメリットとデメリットを考えてみましょう。 “遺言か生前贈与か” の続きを読む

遺産分割協議がまとまらないときはどうするか?

自分の遺産をめぐって親族同士で争ってほしいと願っていた故人はいないでしょう。
ですから,遺産分割は,できるだけ話合いで解決してもらいたいものです。
それでも,不幸にして遺産分割がまとまらないと,どうすれば良いでしょうか。 “遺産分割協議がまとまらないときはどうするか?” の続きを読む