弁護士が処理できる事件数について

先日,某法律事務所の案内に,事務所設立以来の相談人数の累計が数10万人に上ったと書いてありました。これを弁護士1人あたりに換算すると,年間200件を大きく越えそうです。この数字を見て,弁護士以外の方は,どのような感想を持ちますでしょうか。「人気のある事務所だな。」とか,「実績ある事務所だな。」といったところでしょうか。

私たち弁護士は,弁護士の仕事がどれだけ楽か大変か知っております。ですから,この年間200件を超すという数字を見たとき,「よくそれだけの仕事ができるな。」という感想を持つ人が多いのではないでしょうか。年間200件といえば,弁護士にも休日はありますので,毎日何かしらの法律相談を受けていることになります。そして,弁護士は法律相談だけで報酬を得ているのではなく,法律相談を受けた中から何件か依頼を受け,相手方と交渉し,書類を作成して,裁判所に出向くといった作業をしているので,1日に処理できる事件数は10件を大きく下回るでしょう。そして,一つの事件につき,1ヵ月に5回程度は何等かの処理をするものです(これぐらいのペースで処理していかないと,事件の処理スピードが極端に落ちます。)。
そこで,1ヵ月に安定的に処理できる事件数は,最大でも,1日に処理できる件数10件×1ヵ月実働24日÷1ヵ月に案件を処理するべき回数5回=48件程度になるのではないでしょうか。年間200件の新規法律相談を受けると,受任する事件は100件ぐらいになるのではないでしょうか。おそらく,事件処理の多くをマニュアル化して,事務員任せな部分が多い法律事務所なのだと思います。
どのような処理をしているのか,一度,勉強させてもらいたいものです。

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