弁護士として受ける依頼の中で,離婚事件ほど,当事者間の言い分が食い違うものはありません。妻側から話を聞けば,相手方の夫は酷い人だし,夫側から話を聞けば,妻こそろくな人ではありません。不貞行為があったような場合は明らかですが,多くは家事・育児をするしないの問題であり,不貞行為をした側にも相手方に言いたいことはあるようです。どちらの主張にも分がありそうであり,簡単には優劣が判断できません。
こういう場合に,私が一番に参考にするのは,2人の子供がどちらの味方をしているか,です。一見,夫婦の問題に子供は無関係なように見えますが,一番中立的な第三者でもあります。子供の声に耳を傾けてみると,父母のいずれかのみを全面的に好き嫌いということはあまりなく,父親が酷いと言いつつも,心のどこかではこれを慕っているものです。子供は,嘘をつくのが苦手であり,ここから話を聞ければ,事案の真相は比較的よく見えてきます。
子供が中学生ぐらいに成長していると,子供がついてきた方に分があるケースが多いようです。ですから,妻または夫が,子供を連れて出て行ってしまったという場合,離婚交渉においては,いくらか覚悟しておいた方がよいかもしれません。それでも,「子供が自分を見捨てるはずがない。」と言われる親御様がいます。そのような場合,私は,子供との面会交流を求めることを提案します。相手方がこれに応じた場合はもちろん,応じようとしない場合でも,家庭裁判所に調停を申し立てれば,何等かの形で子供の声を聞き出すことができます。その子供の声に真摯に耳を傾けることができれば,事態は良い方向に転じるかもしれません。
多摩オリエンタル法律事務所は,離婚に関する相談を受けた場合,何が子供の利益になるかを第一に考えるよう心がけています。離婚を考えているけれども子供のことが心配という方は,一度,ご相談にきてみてはいかがでしょうか。
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