ハラスメントって何?

先月は,セクハラについて書いたので,今回は,パワハラについて説明したいと思います。そもそもパワーハラスメントとは何でしょうか。厚生労働省は,「職場のパワーハラスメントとは,同じ職場で働く者に対して,職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に,業務の適正な範囲を超えて,精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と説明しています。上司から嫌なことを言われたぐらいでは,パワハラにはなりません。

それが「業務の適正な範囲を超えて」いなければ,パワハラとは言えません。ところが,この「業務の適正な範囲」とは,どこからどこまでを言うのか,はっきりしません。

職場で上司から叱責を受けることはよくあることです。それが耐えられないのであれば,転職を検討するのも良いでしょう。それで労働者の結論が「転職するまでもない。」とういうものであった場合,そもそもパワハラではなかったのかもしれません。この「転職」を強く意識させられるかどうかが,ひとつのメルクマールになるかもしれません。

ただし,「転職させられた」というだけで,それがパワハラと認定されることはまずないです。そこでパワハラに悩んでいる方に是非ともやっていただきたいのは,心療内科の受診です。たとえそれが業務上の叱責でも,労働者の心身のバランスを崩すほどのものであって良いはずがありません。パワハラに悩んでいる方は,まず心療内科の受診をしてみましょう。そして,会社での業務が原因で心身に異変が起きているならば,そのことを診断書に書いてもらい,会社に提出しましょう。場合によっては,診断書を書いた医師に,直接,会社に現在の症状を説明してもらいましょう。それでも会社の上司が強い叱責をしてきたならば,それは労働者に精神的・身体的苦痛を与えるものとして,違法認定される可能性が出てきます。

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