借金が多すぎて返済ができないけれども、親しい人からの借金だけは返したい、そういう相談はないですか。気持ちは分かりますが、法律的には、それはＮＧです。ただ、私は、違法合法の話と正義不正義の話は関係ないと思っています。そこで、ここでは、もう少し突っ込んで、違法合法の話をしていきましょう。
まず、これから破産をするというのに、親しい人からの借金だけは返していくというのはできません。破産しようとする場面で、親しい人からの借金を返してしまった場合は、その返金を求められることもあります。かえってその親しい人に迷惑をかけてしまうこともあり得ますので、やめた方がよいでしょう。
ただし、破産した、免責（借金の帳消し）となった後に、親しい人に対してだけ借金を返済するというのは、法律的には許されております。専門用語では、こうした借金は、自然債務と呼ばれ、債権者が支払いを強制することはできませんが、債務者が任意に支払うことは構わないと言われています。
もっともここで、これが倫理的にどうか、ということも考えてもよいかもしれません。まったく無関係な人からの借金と、よく知っている人からの借金と、どちらを優先的に返済するべきでしょうか。よく知っている人は、あなたの事情をよく知ったうえでお金を貸してくれているので、近くあなたが借金の返済ができなくなるのも覚悟しているかもしれません（むしろ、覚悟しておくべきでしょう。）。ですから、親しい人からの借金だけは返していくというのは、倫理的にも間違っているかもしれません。
どうしても裏切れない人がいるけれども、借金も返せない、そういう場合の、やってよいこととやって悪いことの判断は、難しいです。自己判断では、取り返しのつかないことになるかもしれません。ですから、このような場合は、すぐに弁護士に相談するべきです。破産するかどうかは、その後に決めれば良いだけの話です。債務整理は、早期に弁護士に相談する、それが、重要なようです。
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