この連休に列島を襲った台風19号は,ここ多摩地域でも大きな被害を与えたようです。ここで法律家が気になるのは,この被害に基づき,どのような争いが生じるか,ということです。典型的には,隣の家の瓦が風で飛ばされ,自分の家の車を傷つけた,などでしょうか。
これが,毎年襲来するような,通常規模の台風ならば,瓦が風で飛ばされることがないよう,きちんと整備しておいてください,という話にもなりましょう。しかし,今回の台風は,未曽有の規模だったようですので,その襲来を予測することは困難です。最後は裁判所の判断になりましょうが,通常は,瓦が風で飛ばされた側に過失はなく,車を傷つけられた側は損害賠償請求ができない,ということになりそうです。
この手の問題を考える際に,もう一つの視点を考える必要があります。それは「お隣様と,どこまで争いますか?」という問題です。台風被害をどのように補償するかという話は重大ですが,そのために,隣同士でどれだけ争うべきでしょうか。ここでお金の話をすると,通常は,相当関係が悪くなります。その悪い関係を,将来にわたって,どちらかが引っ越しをするまで続けていきますか?という問題です。
そうすると,今回の台風被害については「被害はお互い様」として,お隣様に損害賠償をするのではなく,違う方法を考えるべきでしょう。例えば,この手の天災があると,行政がいくらか補償金を出してくれることもあります。そういう情報交換をしていくことが,より良い隣人関係につながっていくのではないでしょうか。
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