活かす倒産と死なす倒産

現在世の中は,アベノミクスの好景気だといいます。この好景気の波に期待して事業を立て直したいと思われている経営者も多いでしょう。この秋には,アベノミクス倒産が増加するという噂があります。それで自分の会社の将来を不安に思っている経営者もいるでしょう。


 先日読んだ雑誌記事によれば,「倒産は企業の死である。」そうです。
 確かに,破産によって会社は解散します。しかし,破産手続きを通じて,会社の中の大切な事業を生き残らせることもできます。民事再生を申し立てることは,一般に「倒産」といわれますが,これは会社を生き残らせるためのものです。
 ですから,「倒産は企業の死である。」というフレーズには違和感があります。これは「倒産」や「企業の死」の定義の問題かもしれませんが,弁護士である私の感覚では,「倒産」と「企業の死」とは,関係ありません。その事業に関わった人の誰も救われないのが「企業の死」であり,「倒産」とは“債務超過”という名の“病”に侵された企業に対する最後の治療です。最後の賭です。最後のチャレンジなのです。
 その治療の中で,法律家は,様々な人を救おうとします。それは,会社の従業員であったり,縁故のあった取引先であったり,そして経営者自身であったりです。「倒産」によって会社が消滅しても,その事業を他に譲渡するなどして,様々な人々を救うことができるのです。
 もちろん,多くのケースでは,賭に敗れ,企業の死を迎えます。しかし,この複雑な経済社会の中で,その企業が確実に死ぬということを,誰にも言えません。その事業に対する情熱さえあれば, 生き残るチャンスはあるのではないでしょうか。ひとつだけ,確実に言えることは,アベノミクスに期待したり,不安に思ったりしているだけでは,“病”は決して治らないということです。しかもこの債務超過病は,放置すれば利息がかさみ,会社の財産を蝕み,従業員や取引先に給料や代金を支払えず,病を伝染させてしまうこともあります。
 医者に行くことを恐れてはいけません。「死に至る病」かどうか,定期的に専門家の分析を受け,病巣が発見されたときは,早めに弁護士に相談します。場合によっては「倒産」という手術も受けてください。経営者ならば,死なないでください。
 多摩オリエンタル法律事務所は,倒産事件も取り扱いますが,「死なす倒産」は受任しません。「倒産」を受任しても,必ず依頼人を活かします。多摩オリエンタル法律事務所は,「活かす倒産」を受任します。

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