弁護士選びでは,弁護士会での活動に注目する

インターネットを利用すると,本当に多くの弁護士を検索できるようになりました。その中で,どの弁護士に相談したら良いか,迷われている方も多いのではないかと思います。ここで私が提案したい視点は,「その弁護士は,どれくらいの弁護士仲間をもっていますか?」ということです。ここでいう弁護士仲間は,同じ法律事務所の弁護士ではないです。他の法律事務所の弁護士をいいます。当たり前ですが,非常識な弁護士に,弁護士仲間が集まってくることはないです。したがって,弁護士仲間の数は,極めて有用な弁護士選びの基準になるはずです。

 弁護士仲間が多いと,仕事を第三者目線で評価できるようになります。弁護士仲間は,互いに,自分がやった仕事内容について,守秘義務に注意しながら,相談し合っています。ですから,その仕事ぶりが独善的になることは少ないです。
 弁護士業務の遂行には,本当に多くの法律情報が必要です。弁護士仲間が多いと,この法律情報が常にアップデートされていきます。弁護士仲間が少ないと,ここで出遅れるリスクがあります。
 自分が何か失敗すると,その話がすぐに弁護士仲間に拡がってしまいます。これは,弁護士仲間が多ければ多いほど,不名誉となります。ですから,弁護士仲間が多い弁護士は,とにかく弁護士業務で失敗しないよう,細心の注意を払うはずです。
 他方で,弁護士仲間が多い弁護士に依頼してしまうと,相手方弁護士と談合してしまうのではないかと心配される市民も多いのではないかと思います。しかし,私は,今まで,例えば大御所の弁護士が相手方の若手弁護士を捕まえて無理な譲歩を迫った,というような事例を聞いたことがありません。むしろ,事件の相手方が知り合いの弁護士であった場合,事案にもよりますが,お互いにざっくばらんな話をして,依頼人の満足度が高い解決ができるケースが多いようです。
 それでは,弁護士仲間が多い弁護士は,どのように探せばよいでしょうか。弁護士仲間は,弁護士会での委員会活動を通じて増えることが多いです。「〇〇委員」というだけでは,委員会に所属しているだけで,何ら弁護士会で活動していない場合も考えられます。これに対し,「〇〇委員長」「〇〇座長」などの肩書が書いてあれば,その委員会で相当の活動をしてきたことが推測できます。また,人格に問題があるような弁護士であれば「委員長」には任命されません。
 ですから,弁護士選びで迷われているのであれば,その弁護士が,弁護士会で,どのような活動をしてきたかに注目してみてください。相当の活動をしてきた弁護士であれば,弁護士仲間が多い可能性があります。弁護士仲間が多い弁護士は,弁護士の平均以上の資質を備えている可能性が高いです。
(こういう見方もできるので,会務に参加する弁護士が増えることを期待しつつ。)

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