任意整理の難しさ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_3811-002-rotated.jpg借金の整理の仕方は,①債権者と借金の返済方法について話し合う任意整理の方法と,②裁判所に借金の処理をしてもらう法的整理の方法の2種類に分類できます。法的整理の典型例は自己破産ですが,「破産」という言葉が持つ印象から,「破産」よりも任意整理を希望される相談者は少なくないです。
けれども,金融機関は,借金の処理について,あまり話合いに応じていただけない傾向があります。消費者金融,いわゆるサラ金の場合は,その傾向がとくに強いです。すこし以前であれば,どこの金融機関も,残元本のみ,たまに利息や遅延損害金まで請求してくる業者もありましたが,大抵の金融機関は60回,事情があればそれ以上の分割払いに応じていただけたものでした。ところが最近は,60回の分割払いに応じない金融機関が増えて来ました。48回程度(4年)の返済でないと示談に応じないと言っている金融機関もあれば,最近では「24回払いでないと応じない」と言い出す金融機関が現れました。年々,任意整理の交渉が難しくなってきている印象があります。
どうしてこうなってしまうかと言えば,「話合いは,求めた方が不利になる」ということがあるからです。多くは,話合いを求められた側には,話合いに応じなければならない状況がありません。したがって,それでも話合いを求める側は,相手方の言い値に応じなければならない状況になるのです。債務者がこれに対抗するには,債権者が話合いに応じざるを得ない状況を作ることです。端的に言えば「話合いに応じなければ破産する」と言うことです。けれども,このように言ってやると,金融機関は「それでは破産してください」と言ってくることが多いです。
このような金融機関の運用は,なんとももどかしいです。金融機関の側が,もう少し柔軟に対応してくれれば,債務者は破産を免れる,金融機関も最低限の債権回収が実現できるとなって,経済的には合理的な結果がもたらされます。けれども,こうも金融機関の対応が強硬では,債務者としては返せるものも返せなくなってしまい,債権者ともども共倒れになってしまいます。債権者(金融機関)の側は,資金力に余裕があるでしょうから,債務者一人破産してもどうということは無いでしょう。けれども,破産する人数が増えていけば,どうでしょうか。物価高騰,政情不安,今後の日本の景気がどうなっていくか不透明です。こういう時代だからこそ,法的措置ではなく,話合いで解決していく柔軟さを考えてもらいたいものです。

~多摩オリエンタル法律事務所~

多摩センター駅徒歩3分。夜間・休日も対応いたします。債務整理のご相談は無料です。多摩市、稲城市の方からのご相談が多い事務所です。債務整理・離婚・相続・後見等の個人事件や、売掛金回収・倒産等の法人事件の実績多数あります。

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借入の順序を間違えてはいけない

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債務整理の相談が増えてきたように感じます。物価が上がっているわりに収入が増えず,それで借金に頼って家計がまわらなくなったというところでしょうか。あるいは物価上昇で,コロナ禍で借入したものの返済ができなくなったというのもありましょう。

 そこでたまに聞かれるのが「知人,親族からの借入」です。破産をするからには知人や親族からの借入もきちんと処理(直球的に言えば踏み倒し)をしなければいけないのですが,知人や親族にはそのような不義理をしたくないと言って破産に踏み切れなくなる人がたまにいます。どうしてそういうことになってしまうのでしょうか。

 思うにそれは,借入の順番を間違えたからだと思います。お金に困ったとき,普通の人であれば,親や家族,あるいは親密な知人に頭を下げて借金のお願いをすることだと思います。お金の貸し借りというのは,高度な信頼関係がなければできないものです。ですから,中の人がどんな人かも分からない貸金業者から借りるというのは,親戚知人との間でこうした高度な信頼関係がなくなって,はじめて検討するということになります。

 ところが借入の順番を間違っている人は,こういう頭を下げて借入をするというのができなくて,最初に「安直に」貸金業者から借りてしまうのです。そして貸金業者に対する返済ができなくなって,親戚知人から金を借りてその場しのぎをしようとしているのです。

 この判断が,道義的に見て間違っていることは明らかです。なぜならば,貸金業者は利益を求めて金を貸すのに対し,親戚知人はあなたに対する信頼を前提に金を貸しているからです。また,貸金業者は,債務者が破産することもあり得ると想定して高い金利を請求しています。また,一定の場合には担保もとっています。ゆえに,その貸金が踏み倒されても大きな損害は生じません。これに対し,親戚知人であなたが破産することを想定して金を貸してくれる人は少数で,その貸金が踏み倒されると彼らも困窮します。返済に困った時に,貸金業者と親戚知人のどちらを優先するべきかは明白で,貸金業者からの返済のために親戚知人から借金をするというのは愚の骨頂というべきでしょう。

 それでは,破産もやむを得ない場合で,親戚知人からも借金があるという場合はどうしたら良いでしょうか。そうなってしまえば致し方ないので,開き直って頭を下げて謝罪するしかないです。多摩オリエンタル法律事務所では,その謝罪の仕方も指導いたしますので,お困りの時はご相談ください。

債務整理の相談が増えてきたように感じます。物価が上がっているわりに収入が増えず,それで借金に頼って家計がまわらなくなったというところでしょうか。あるいは物価上昇で,コロナ禍で借入したものの返済ができなくなったというのもありましょう。

そこでたまに聞かれるのが「知人,親族からの借入」です。破産をするからには知人や親族からの借入もきちんと処理(直球的に言えば踏み倒し)をしなければいけないのですが,知人や親族にはそのような不義理をしたくないと言って破産に踏み切れなくなる人がたまにいます。どうしてそういうことになってしまうのでしょうか。

思うにそれは,借入の順番を間違えたからだと思います。お金に困ったとき,普通の人であれば,親や家族,あるいは親密な知人に頭を下げて借金のお願いをすることだと思います。お金の貸し借りというのは,高度な信頼関係がなければできないものです。ですから,中の人がどんな人かも分からない貸金業者から借りるというのは,親戚知人との間でこうした高度な信頼関係がなくなって,はじめて検討するということになります。

ところが借入の順番を間違っている人は,こういう頭を下げて借入をするというのができなくて,最初に「安直に」貸金業者から借りてしまうのです。そして貸金業者に対する返済ができなくなって,親戚知人から金を借りてその場しのぎをしようとしているのです。

この判断が,道義的に見て間違っていることは明らかです。なぜならば,貸金業者は利益を求めて金を貸すのに対し,親戚知人はあなたに対する信頼を前提に金を貸しているからです。また,貸金業者は,債務者が破産することもあり得ると想定して高い金利を請求しています。また,一定の場合には担保もとっています。ゆえに,その貸金が踏み倒されても大きな損害は生じません。これに対し,親戚知人であなたが破産することを想定して金を貸してくれる人は少数で,その貸金が踏み倒されると彼らも困窮します。返済に困った時に,貸金業者と親戚知人のどちらを優先するべきかは明白で,貸金業者からの返済のために親戚知人から借金をするというのは愚の骨頂というべきでしょう。

それでは,破産もやむを得ない場合で,親戚知人からも借金があるという場合はどうしたら良いでしょうか。そうなってしまえば致し方ないので,開き直って頭を下げて謝罪するしかないです。多摩オリエンタル法律事務所では,その謝罪の仕方も指導いたしますので,お困りの時はご相談ください。

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コロナと債務整理

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_1157-rotated.jpg破産の相談が増えてきたように感じます。新型コロナウィルス流行に伴い,ここ数年,世間では相当に景気が悪い体感だったのではないでしょうか?それでも相応の補助金や融資,あるいは特別の返済猶予があって,辛うじて資金繰りをまわしていたところ,ここに来て,こうした援助が打ち切りとなり,ついには破産を決断するという方が増えてきたような感覚です。

そこまで細かな統計をとっているわけではないので正確なことは言えませんが,コロナウィルスの流行期に借入をしたものの返済が始まろうとしているところ,その支払いができないので債務整理の相談をされるという方が目立ちます。

債務整理の業務をしていると,任意整理(裁判所を通さないで金融機関と借入の支払方法について話し合う手続き)で債権者がなかなか示談に応じてくれないという感じがします。数年前までは,借入の60回払いぐらいならば,特段のハードな交渉をしなくても応じてくれていたところ,最近は48回払い,36回払いでなければ応じないという厳しい債権者も増えてきています。金融機関も,このコロナ禍のあおりを受けて,厳しい取立てをしなければならなくなっているということでしょうか。

先月,新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症になり,市民のマスク着用率も下がってきたようです。しかし,忘れてはいけないのは,政府がマスク着用を推奨しなくなっても,新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したとしても,新型コロナウィルスの感染力や症状が以前に比べて弱体化しているわけではないということです。それでも,このように政府が新型コロナウィルスを緩和するということは,これからは自己責任で,自分の生命,身体,財産を,ウィルスの猛威から守っていかなければならなくなることを意味します。多摩オリエンタル法律事務所では,ウィルスから相談者の生命身体を守ることはできませんが,これで傷つけられた財産の問題であれば,何かできることが見つけられるかもしれません。お困りごとがあれば,ぜひぜひご相談ください。

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多摩センター駅徒歩3分。夜間・休日も対応いたします。債務整理のご相談は無料です。多摩市、稲城市の方からのご相談が多い事務所です。債務整理・離婚・相続・後見等の個人事件や、売掛金回収・倒産等の法人事件の実績多数あります。

廃業をするべきかどうか?

まずは,売上の目標を立ててください。売上の目標はできるだけ具体的に立ててください。その立てた売上目標を前提に資金繰りを予測してください。この資金繰りが赤字になるような場合は,それは事業として成り立っていないので直ちに廃業の準備をしてください。

売上の目標を立てて1年が経過しました。目標は達成できたでしょうか。収支は黒字となったでしょうか。目標が達成できなかった場合,収支が赤字となった場合は,この1年間の売上を前提に次年度の収支予測を立ててください。その結果,1年以内に手持ち資金がなくなるという場合は,廃業も一つの選択肢として考えるべきです。銀行から借り入れるなどして1年間は資金ショートせずに経営を継続できるというのであれば良いのですが,銀行から借入をしても1年以内に資金ショートするというのであれば,廃業を考えるべきです。

黒字となる売上目標を建てられない,現状できることを手を尽くしても1年以内に資金ショートをするという時は,廃業を考えなければなりません。このような時は,いつ資金ショートするのかを検討します。これが半年以内に到来するというのであれば,ただちに弁護士を選任するなどして廃業に着手してください。ここで廃業に着手できないと,その時になって払うべきものが払えなくなって,本当に周囲に迷惑をかけてしまいます。このまま目立った収入がなくても半年以上は資金ショートしないという場合は,廃業の準備をしてください。原則として新規の契約はせず,可能な限り支払原資を確保します。このようにして廃業の準備が整ったら,確保できた支払原資の額と債務額のバランスをみて,破産するか清算するかを決めます。この辺りの判断は,高度な専門知識が必要なので,必ず弁護士に相談するようにしてください。

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会社経営者が破産を決断するとき

 

多摩オリエンタル法律事務所は,これまで,本当に多くの事業者破産の相談を受けてきました。こうした法律事務所のコラムを読んでいる方の中には,破産しようか悩まれている会社経営者もいると思います。そこで今回は,会社経営者が破産を決断するべきとはどのような場合か,解説したいと思います。

① 事業を面白いと思えなくなったときは廃業の決断を!

 会社経営は本当に大変です。その大変さを補ってあまりあるほど面白いと思える事業でなければ,うまくいく筈がありません。ですから,会社を破産させようかどうか悩まれている経営者は,一度,自分がその事業を面白いと思っているかどうか,冷静に見つめなおしてください。ここで面白いと思えるものがなければ,事業再生は困難ですので,破産した方が良いと思います。

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破産件数が減っている?

コロナ禍で資金繰りが苦しくなる市民が増えて、債務整理の依頼が増えていくのではないかとの予測がありました。しかし、多摩オリエンタル法律事務所では、直近1年間の実績で、それほど債務整理の件数が増えている印象がありません。細かなデータを取得できているわけではありませんが、東京地方裁判所立川支部における破産事件の事件番号でみても、数字が伸びていない印象です。政府等のコロナ対策で、さまざまな給付金や補助金が支給され、他方で金融機関からの取り立てが緩やかとなり、相当数の債務者が救済されたということでしょうか。
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破産するべきかどうか

一概には言えませんが,金融機関と交渉して債務整理(任意整理)をする場合,負債総額を60で割った金額が,だいたい毎月の返済額ということになります。だいたいで構いませんので,毎月の収入と支出の差額を出してみてください。これが毎月の返済額よりも数万円多いという場合は,破産をしないで債務整理が可能ですが,そうでなければ破産するべきという結論になります。 “破産するべきかどうか” の続きを読む

免責不許可事由(ギャンブル等)があっても破産事件を受任します。

 多摩オリエンタル法律事務所では、ギャンブルやゲーム課金などの免責不許可事由があっても、破産事件を受任するようこころがけています。法律上、免責不許可事由があるとされる事案でも、破産を申し立てれば、ほとんどのケースで、裁判官の裁量で免責、すなわち借金が帳消しとなるからです。
 もっとも、例外的に、免責が認められないケースがあります。過去の裁判例を分析すると、次のようなケースは注意が必要です。
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債務整理について思う

 収入も財産もなく,どうしても借金を返せない人がいます。「だから債務を免除してください。」と債権者と交渉しても,あまりうまくいくものではありません。「破産したら,1円も返せません。しかし,ここで債務を免除してくれたら,破産を免れることができます。そうすると,10万円までなら返せます。」そう説明しても,納得していただける債権者はあまりいません。相手が金融機関や大手企業の場合,ますます納得してくれません。大きな会社であれば,多少の債務免除をしても経営に悪影響が出るリスクは小さいはずです。
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