コロナ対策の警戒を怠らないようにしよう!

 幸いにして,我が国のコロナ感染者数は,他の先進国に比べて低い水準で抑えられているようです。しかしそれは,国民の高い衛生意識の賜物で,コロナの毒性が弱いとか,アジア人がコロナに強いとか,そういうことは何ら実証されていないようです。例えば感染確認者数に対する死亡者数の割合でみると,日本と他国とで,それほど大きな差があるようには見えません。
 さて,ここのところ,コロナ感染者の発見者数が減少傾向を見せております。しかしそれは,7月の連休から8月のお盆休みにかけて休暇をとっていた国民が多かったためで,コロナウィルスが自然に収束していったとは思いません。ですから,コロナ感染者の発見者数は,間もなく,増加に転じていくことでしょう。
 警戒するべきは,9月の連休以後,目立った連休がしばらくないことです。ここのところのコロナ感染者発見者数の減少傾向が,全国的な夏期休業の影響だとすれば,9月以後に連休がないということは,コロナ感染者数の増加傾向に歯止めがかからないということです。

 ただ,その増加傾向の割合は,国民の努力で,ある程度の押さえが効くのではないかと予想します。私は,6月から,毎日,東京都内のコロナウィルス感染発見者数をチェックしています。すると,6月は平均して毎日5%の割合で感染発見者数が増加していました。平均値で言えば7月も同じだったのですが,7月の場合は前半の感染者発見者数の増加割合が高く,後半が低いという傾向でした。15日までの平均で言えば,1日あたり約8%で,16日から31日までの平均が約3%でした。これは何を意味するでしょうか。私は,7月上旬,コロナ感染者数が急激に増えて,国民全体の警戒感が高まり,その結果,増加率が減ったものと予想します。ですから,国民が警戒感を強めれば,コロナ感染者数の拡大をある程度食い止めることは可能ではないかと考えるのです。
 国民の努力だけでは限界がありましょうが,この1日あたり3%と8%の差は大きいです。仮に感染発見者数の割合が1日あたり3%ずつ増えていくとすると,その数は1ヵ月で約2.4倍となります。2ヵ月では約5.9倍です。このペースの増加率であれば,医療崩壊が生じる前に何らかの政策を展開できる時間的余裕がありそうです。何らかの休業要請を出さなければならない事態になったとしても,その期間は短期間ですむかもしれません。しかしこれが1日あたり8%となれば,1ヵ月(10月)で10倍,2ヵ月(11月)で100倍です。こうなってしまうと,政策検討の時間すら与えられません。それこそ,重症者や死者も10倍100倍し,緊急事態宣言で長期の休業を強いられることにもなりかねません。実際にそのような時期もあったのですから,私たちが油断すると,あるいはコロナを全面的に受け入れてしまうと,すぐにこのような数字になりましょう。
 この3%という数字を達成するのに,休業などは必要ないと思います。私たちは休業なしにこの数字を達成しているからです。この7月にできたことをその後も継続していけばよいのだと思います。これだけでコロナウィルスの感染拡大が収束するとは思いませんが,重大局面に来たときは政府が決断してくれることを期待します。それまでの時間稼ぎぐらいにはなると思います。
 さて,多摩オリエンタル法律事務所は感染症の専門事務所ではありません。ただ,ここのところの感染者減少傾向について,メディアで目立った論評が見当たらないのが気になるところです。本来の専門家は,下手な論評を出してバッシングされるのを警戒しているのでしょうか。その気持ちは分からないではないですが,専門家には勇気をもって社会に向けて発信していただきたいので,僭越ながら意見を述べさせていただきました。

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