強制執行の話

 テレビドラマのシッコウが最終回になろうとしているので,今回は強制執行の話をしましょう。

 ドラマでは,動産執行を取り上げることが多いようですが,実際に動産執行で債権回収するというのはレアケースではないでしょうか。なぜならば,民事執行法上,差押禁止動産の範囲は多いですし,そこに現金があっても66万円を超えていなければ,これすらも差し押さえることができないからです。

 差押の費用対効果のもっとも高いのは銀行預金です。ただし,銀行預金を差し押さえるためには,その預金口座がある支店名まで特定しなければなりません。相手方(債務者)が取引先で,元々からその預金口座の存在を知っていたというのであればともかく,そうでなければ裁判所を通じた財産開示手続きや弁護士会を通じた照会で調査することになります。

 強制執行で債権回収を図るには,どこに差し押さえるべき物があるか調査しなければなりません。この調査が比較的簡単なのが不動産執行です。相手方(債務者)が自宅を所有しているような場合は,その名義を調べます。その調査は比較的安価,短時間であり,銀行預金の調査に比べれば楽です。しかし不動産執行は,数十万円あるいはこれを超える金額の予納金を用意しなければなりませんので,債権執行ほどの手軽さはありません。

 このほか,自動車を差し押さえるなどの方法もあります。

 ドラマで話題の動産執行は,こうして八方手を尽くして調査して,どこにも財産らしい財産が見当たらなかったときに,最後の手段として申し立てるものと思います。しかし,こうやってやれる調査をしてもめぼしい財産が見つからなかったという場合,そこに差押可能な動産があるとは考えにくいです。ですから,動産執行で債権回収するというのはレアケースと言われるのです。

 このように強制執行にも色々なやり方があって,それぞれ一長一短があり,効果的に利用するにはコツが要ります。債権回収でお困りであれば,ぜひとも一度,多摩オリエンタル法律事務所の法律相談をご利用ください。

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