① 2013年の廃業企業は2万8943件
中小企業白書2014年版に,廃業に関する統計がありましたので,その内容を紹介します。東京商工リサーチの調べによると,2013年度の休廃業・解散件数は,2万8943件で,このうち,倒産件数は,1万0855件でした。
帝国データバンクによるアンケート調査では,廃業の理由は,経営者の高齢化等がもっとも多く,全体の48.3%です。ただし,このアンケート調査では,廃業時の資産状況についての質問で,債務超過と回答した企業は全体の23%に過ぎなかったので,廃業2万8943件のうち,債務超過を前提とする倒産1万0855件(全体の37%)の統計結果と合致しません。おそらく,倒産企業の関係者は,精神的に追い詰められていてアンケート調査に協力する者は少ないためでしょう。ですから,債務超過を廃業の理由とするものは,もうすこし多いかもしれません。
② 誰にも相談しないで廃業を決めた経営者は28.7%
廃業は,自分にも他人にも大きな影響を与えます。その廃業に関して誰に相談したかという質問に対して,「誰にも相談していない。」という回答が28.7%に上りました。この経営者の心情は,分からないではないですが,廃業・再生・倒産の専門家から見ると,この数字は遺憾です。相談相手として,もっとも多く挙げられたのが,「家族・親族」の48.1%でした。多くの中小企業は,一族で経営しているケースが多いので,これは経営パートナーに相談していたとみるべきでしょうか。次の相談相手は,「公認会計士・税理士」で,6.8%です。要するに,外部の専門家に相談するケースは,ほとんどなかったということです。
③ 専門家に相談すれば,第3の道が見つかる可能性があります
アンケートでは,「廃業を回避できる可能性があった取組」はあったかどうかという質問に対して,「どのような取り組みをしても廃業は避けられなかった」との回答が,40.3%に上りました。本当にそうでしょうか?例えば,経営者の高齢化等が廃業の理由だとするならば,適切な後継者ないしは事業の移転先を見つければ,廃業は避けられるでしょう。結局は,後継者がいないから廃業するということなのでしょうが,「誰にも相談していない。」や,専門家に「相談していない。」で,後継者がいないと判断して良いのでしょうか。専門家は,廃業案件・倒産案件・再生案件を数多く手掛けています。専門家に相談すれば,経営者が思いつかなかったような,第3の道が見つかるかもしれません。
④ 廃業の相談は,弁護士に
廃業の際には,取引先との清算や,事業資産の処分などを通じて,様々な法律問題が発生します。また,廃業ではなく,事業再生を図るにしても,債権者とのリスケ交渉に専門的な法知識が要求されます。法律の専門家である弁護士ならば,法的なリスクの所在を見極め,今,経営者が何をするべきか,適切な判断ができます。多摩オリエンタル法律事務所は,再生・倒産の専門法律事務所を目指しておりますので,一度,ご相談をいただけたら幸いです。
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